宝筐院略史
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宝筐院は、平安時代に白河天皇(1053〜1129)の勅願寺として建てられました。
しかし、当時から「宝筐院」と呼ばれていたわけではなく、元々は「善入寺」と名付けられていました。
平安の末から鎌倉時代にかけては、数代にわたり皇族が入寺して住持となりました。
南北朝時代になり、貞和年間(1345〜50)から夢窓国師の高弟の黙庵周禅師が入寺し、衰退していた寺を復興させ、中興開山となりました。
そして、この善入寺にあって門弟の教化を盛んにし、これ以後は臨済宗のお寺となりました。
用語解説
(『広辞苑 第五版』CD-ROM版 より)
●住持
【じゅうじ】
一寺の長である僧。住職。
●勅願寺
【ちょくがんじ】
勅願によって鎮護国家・玉体安穏のため建立された寺。東大寺・大安寺・薬師寺などの類。
●国師
【こくし】
朝廷から国家の師表たるべき高僧におくられた称号。
●禅師
【ぜんじ】
禅定(ぜんじょう)に通達した師僧。
●開山
【かいさん】
寺院の創始者。また、宗派の祖。
●臨済宗
【りんざいしゅう】
禅宗の一派。唐の臨済を祖とする。
日本では鎌倉時代に栄西が伝えたのに始まり、室町幕府は京都・鎌倉に五山を定めて保護した。
公案によって弟子を教化する看話禅の立場をとる。
現在15派に分れる。
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